実機解説：太平洋戦争開始後、立川陸軍航空工廠では、本格的な双発複座長距離戦闘機の計画・研究を進めていたが、17年7月、陸軍から強力な一発必撃の57mm対戦車砲を搭載する襲撃機の試作指示があり、18年2月、ｷ-93地上襲撃機に対する要求が示された。陸軍第一航空技術研究所の安藤成雄中佐の指導、遠藤良吉技師の協力、富田素忠技師の設計主務により、試作は立川陸軍航空工廠飛行機部で行われた。独創的な全金属製、双発、中翼単葉機で、胴体下部に57mm機関砲を収容する大きな膨らみを持ち座席、燃料タンクなどの要所には、防弾板を配置、最大速度は戦闘機並みの650km/hを目標とした。試作1号機は20年3月に完成するも、初飛行の着陸時に左脚を破損して左翼損壊、修理中にB-29の爆撃を受け消失。2号機は埼玉高荻飛行場に疎開して組み立て中に終戦となった。
実機データ：全長：14.22m　全幅：19.00m　エンジン：三菱 ハ214M空冷式複列星型18気筒　1670HP(1970HP/離陸出力)x2
最大速度：624km/h　乗員：2名　武装：爆弾250kg×2 ホ402 57mm機関砲×1 ホ3 20mm機関砲×2 ホ103 12.7mm機関銃×1

A&Wモデルス 1/144 航空工廠 キ-93 試作地上攻撃機 レジンキット AW144069★